海外通信 ~from Brussels~ 10期 福田 加奈子

  • 福田 加奈子
  • 2022年9月現在
    Sumitomo Chemical Europe S.A./N.V. President

コロナ渦の日常生活にみえるもの

昨年9月に、ベルギーのブリュッセルに赴任した。EU Green Dealというタイミングで、これまでビジネスとサステナビリティ推進の仕事に携わり、ビジネスとの融合に挑戦したいとの想いでやってきた。コロナ渦で活動は大きく制限されたが、取るに取らない日常にこそ、その原点があるのかもしれない。
9月に学校が再開され、コロナの第2波が始まった。子供を通じた家庭、職場での感染拡大を防ぐべく、レストランを閉鎖、在宅勤務を義務化。対策の優先順位が明らかに教育に置かれていたことが印象的だった。
ベルギーの夏は短いため、家の構造は完全冬仕様。極めて保温効果の高い構造だが、今年は6月中旬に30℃を超えた。夜になると気温が下がるが、窓を開けても、保温効果が高く、熱が逃げない。こんな日の庭でのバーベキューは最高だろうが、庭はない。耐えきれず、冷却機能付きサーキュレーターを購入。氷水を容器にいれると冷たい風が出る、という仕組みである。窓をあけて使用すると、家の中に風が通り抜けた。涼しいかどうかはともかくとして、風は柔らかく体にはやさしい。
ベルギーの名物の一つに、フリッターというフライドポテトがある。大阪のたこ焼きのように、各家庭にフライヤーがあるそうだ。粉と水だけのパンはカロリーが低く、パンだけではカロリーは不足する。フリッターでカロリーを補っていたのだろうなあと、じゃがいもの歴史にふと興味をおぼえ、調べてみると戦争と飢餓の歴史でもあった。
政治、経済、環境、人権が同じところに向かっている。物事を表面的ではなく、その背後にあるものを理解する重要性、EMPで学んだことを思い出し、歴史・食・文化の探求の旅をできる日を楽しみにしている。


福田 加奈子 EMP10期/住友化学ヨーロッパ社長。(2021年9月時)
1988年関西学院大学理学部化学科卒業、同年住友化学工業(現住友化学)入社、大阪研究所(現エネルギー・機材研究所)配属。化成品事業部、CSR推進室部長を経て2020年4月執行役員、2021年4月より現職。


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